WEDDING ESSAY

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「結婚はゴールではなく、スタート」。
そのスタートの儀式である結婚式をどう創り上げるかは、これからのおふたりの人生にとって大切なことです。
おふたりだけでなくご家族やゲストにとっても心に残る、一生の記念日としての結婚式…その心がけやヒントをお話しましょう♪

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結婚式とマレッジブルー

「ブライズメイド」の本当の意味を知っていますか?

お洒落な花嫁がいま注目しているのが「ブライズメイド」と「アッシャー(グルームズマン)」。
皆さんも新郎新婦の隣りにお揃いのドレスやスーツを身に着けた人が並んでいる姿をご覧になったことはありませんか?

インターネットから海外の最新情報がリアルタイムでアップデートされる今、フォーマルへの意識が強く、パーティ文化が発達している欧米の結婚式からは、可愛くて洗練された実例がたくさん見つかります。
「ブライズメイド」の習慣をすぐに真似したい!という花嫁もいることでしょう。

けれど、心のこもった結婚式を成功させるためには、本質を知ることが大切。
今回は「ブライズメイド」の本当の意味とあるべき姿をお伝えします。

*このコラムでは、花嫁に向けてブライズメイドの表記を使っていますが、男性の読者の方は、新郎にとってのアッシャーも同じ役目だとお考えください。

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フライズメイドは飾りじゃありません。流行に踊らされてはダメ

ブライズメイドとは花嫁の付添人のこと。通常、花嫁が信頼している友人や姉妹、親戚などが務めます。
イギリスのキャサリン妃がウィリアム王子と結婚式を挙げた際は、花嫁の妹がブライズメイドでした。
ちなみに新郎の付添人のことをアッシャーと呼び、ブライズメイドとアッシャーはペア。人数も揃えることになっています。

最近では日本でもブライズメイドの習慣が認知され、取り入れられるようになってきました。
ウエディングドレスの花嫁と一緒に、カラードレスを身につけた女性たちが並ぶ姿は、とても華やかで可愛らしいもの。
また、ビシッと揃いのスーツを着たアッシャーが新郎を取り囲む姿も素敵です。そんな結婚式に憧れている花嫁も多いことでしょう。

可愛らしく華やかに結婚式を演出してくれるブライズメイドですが、彼女たちは単なるお飾りではありません。
「ブライズ=花嫁」の「メイド=お手伝いさん」が本来の意味。
結婚式当日だけでなくその準備までも含めて、サポートするのがブライズメイドの役割です。

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映画『幸せになるための27のドレス』では、世話好きのシングル女子が、27名もの友人のブライズメイドを務めます。
お花の手配から会場の仕切りまで、主人公のジェーンは大忙し。あるときは、1日に2組の結婚式までこなします。
それぞれの結婚式のテーマに合わせたブライズメイドの衣裳も見どころ!
お洒落でありながら、きちんとフォーマルの基本を押さえているのはさすが。

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    『幸せになるための27のドレス』
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    『セックス・アンド・ザ・シティ』

また、私がブライズメイドの本来の姿を感じるのは、映画『セックス・アンド・ザ・シティ』。
キャリーのブライズメイドはもちろん、ミランダ、シャーロット、サマンサの3人。
いつも通りの調子で結婚式の準備に手も口も出しますが、結婚式当日にビッグが怖じ気づいてしまったとき、この3人が花嫁の気持ちに寄り添い、花嫁を守ります。
実はマリッジブルーって男性の方が深刻なんです…。
そもそも、ブライズメイドの起源は中世ヨーロッパ。
幸せをねたむ魔物から花嫁を守るために女性たちが同じようなドレスを身につけ、花嫁が誰だか分からないようカモフラージュしたのが始まりだそう。
大切な友だちのために、身を挺して守るのがブライズメイドなのです。

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本当に信頼しているからできる「心に寄り添い、励まし合える関係」

あるとき、海外生活が長い友人に「日本ではブライズメイドが流行っているんだよ」と話したところ、「あんな大変なもの、無闇にやるものじゃない!」と言われたことがあります。

その友人曰く「花嫁は主役であり、女王さま。一生のうちでこのときばかりは、絶対的な存在」なのだそう。
ブライズメイドは、結婚式や披露パーティの場所探し、下見、招待状の作成、婚約パーティやブライダルシャワーの準備、ドレスフィッティングの付き添い、装飾の打ち合せ、料理やケーキの手配などなど。
映画『幸せになる為の27のドレス』のジェーンのように、結婚式の準備をきめ細かにお手伝いします。

そして、映画『セックス・アンド・ザ・シティ』を観て分かるとおり、いちばん大切なのは花嫁の精神的なサポート。
新郎と喧嘩した、マリッジブルーになった、そんなときに、花嫁の心に寄り添い、励まし、愚痴を聞いてあげるのがブライズメイドです。
先ほどの海外にいる友人は、泣きながら花嫁から電話がかかってきて、夜中にも関わらず駆けつける…なんてことが「何度も」あったそう。
「無闇に受けるものじゃない!」というほど大変なブライズメイドですが、

断ることができないのは「次は自分の番」「お互いさま」という考え方だから。
人生の大切な節目にサポートし合う。そう、深い信頼と友情で結ばれた相手にしか、ブライズメイドは務まらないのです。

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結婚式のスタイルの変化に伴い、サポートするメンバーにも変化が・・・

近年、日本の結婚式は、主催者がご両家(ご両親)から新郎新婦になり、
婚約から結婚式までをサポートする「お仲人さん」を立てないケースが多くなりました。
日本の新郎新婦はいま、結婚と結婚式の準備をなにからなにまで自分たちでこなしているのが実情です。

だから、もしあなたに心から信頼できる友人がいるならば、積極的にブライズメイドをお願いして欲しいと私は思います。
結婚、そして結婚式は人生の一大事。たくさんの人やお金が動きます。
大きな決断のときに、パートナーや家族だけでなく、あなたのことをよく知っている第三者が見守り、アドバイスしてくれるのは心強いもの。
親友ならばここぞというときに、喜んで協力してくれるでしょう。

けれど、あなたにブライズメイドをお願いする相手がいないならば、また、いたとしても遠慮したり、
負担にならないかと心配する相手ならば、無理にブライズメイドを立てる必要はありません。
「流行しているから」「楽しそうだから」と華やかな演出だけを目的として、ブライズメイドを立てることに私は反対です。
もし、結婚式の準備が大変、相談したい相手が欲しい、マリッジブルーになった…
そんなときは、プロのウエディングプランナーや専門のカウンセラーを上手に利用すれば良いのです。

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YOSHIMI UMEZAWA

proウエディングコンシェルジュ株式会社 梅福恵 代表取締役
梅沢 由美

雑誌「25ans」「25ansウエディング」「エルジャポン」の編集部を経て、
ウエディングプロデュース会社を設立。結婚式のプランニングやフォトウエディングを企画するほか、各地で「アニバーサリー婚」を開催。
マリッジブルーなど結婚にまつわるカウンセリングも行う。
> 公式WEBサイト

  • ウエディングコンシェルジュ
  • 株式会社 梅福恵 代表取締役
  • 梅沢 由美

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